1. トップ
  2. 会社概要
  3. 創業者からのメッセージ

創業者からのメッセージ

創業者から学生のみなさんへのメッセージ

僕はずっと、新卒採用をしたいと思っていました。

 会社を立ち上げた2006年から、僕はずっと新卒採用をしたいと思っていました。なぜかというと、僕は自分が新卒で入った会社が今でも大好きだし、僕は「新卒社員」そのものが大好きだったからです。

 最初に入った会社、最初の仕事、最初の上司、は今でも刻銘に記憶しています。もちろん、良い思い出もあれば苦い思い出もある。でも本当にお世話になった。あの会社に入っていなかったら、あの仕事をしていなかったら、あの上司と仕事をしていなかったら、今の自分は無かっただろうなとよく思っています。

 その頃、新卒の仲間たちでよく話をしていました。この会社を変えていくのは僕たちだよね、業界の未来を変えていくのは僕たちだよね、社会を変えていくのは僕たちだよね、と。お給料がもっと欲しい、楽しい仕事がしたい、もちろんそんな思いもあります。でもそれ以上の高いモチベーションで、みんな一致団結し、我を忘れて仕事に没頭できたのは、自分たちが「新卒社員」だったからだと思っています。

 自分はもう新卒社員には戻れないけれど、そんな「新卒社員」が好き。そんな「新卒社員」たちと仕事をしたい。自分が立ち上げたこの会社に、あんな「新卒社員」たちがいてくれたら、どんなに心強く頼もしいことだろう。僕は会社を立ち上げた時からずっとそう思っていました。

でも、15年ぐらい新卒採用に踏み切れませんでした。

 「新卒を採用しようか」と思ったことは、何度もありました。でもそこで頭をよぎるのもまた、自分が新卒時代に経験した苦労でした。

 僕はコンサルティングファームに新卒2期生として入社したのですが、当時は「グレーヘアーコンサルタント」という言葉があるくらい、上の人たちは事業会社で経験を積んでMBAを持っている人ばかりでした。自分は日々努力をしているけれど、新卒で入った自分は事業会社の経験を積むこともできなければ、MBAも持っていない。「キャリア・ギャップ」と僕は呼んでいますが、つまり「どうすれば、上の人たちみたいになれるのか?」が全く見えない状況に苦しんでいました

 プレセナもまた、同じような状況でした。ビジネスの中心は研修事業であり、色々な経験を積んだ講師でないとサービス提供ができない。この会社に「新卒社員」として入ってくると、間違いなく昔の僕と同じように、「どうしたら、僕は・私は、講師になれるんだろう?」とみんな悩むに違いないと思いました。

 とりあえず採用する?それは本人たちに考えさせる?採用すれば何とかなる?別に営業や管理だけやらせれば良い?色々と考えましたが、そんな「無責任」なことはしたくないと思いました。そして「ああ、いつの日か新卒採用をしたい」と思いながら、15年ほど経ってしまいました。

コロナ禍で、会社は大きくデジタルシフト。

 2020年の春頃から、世界中で新型コロナウィルスの影響が出始めました。外出が規制され、クラスルームでの集合研修ができなくなり、全てがオンラインとなりました。プレセナは2012年ごろからeラーニングを手掛けていたこと、オンライン化への切り替え対応が早かったことからコロナ禍の影響はむしろプラスに働き、大きくビジネスが飛躍しました

 「コロナ禍が終わったらどうなるんだろう?」と考える中で、僕の出した結論は「もう、元には戻らないだろう」でした。もちろん、集合研修にはその良さがある。でもオンライン研修やeラーニングは決して「集合研修の代替品」ではなく、別の良さがある。そして今回のパンデミックで、日本中・世界中の企業人事や受講者が、そのことを認識した。

 それまでもプレセナはeラーニングなどのデジタル事業を手掛けてはいましたが、「これから先は、よりいっそうリアルとデジタルを融合させて人材育成サービスを提供していく」と考えると、デジタルの領域で無限にやりたいこと・やるべきことが見えてきました

キャリア・ギャップを埋める道が開けた!

 集合研修、オンライン研修、eラーニングの良さを、すべて取り入れた柔軟なプログラムが作れるようにしたい。これまで「講師や受講者が教室で話して消えていた情報」がオンラインだと全て記録ができる。このデータを活用したビジネスを展開したい。教えたい個人と学びたい個人が出会って、成長できるようなプラットフォームを作りたい。どれも壮大な話であり、早くても数年はかかるものばかりです。そして構想が膨らむ中で「新卒社員に、これらを手掛けてもらえないだろうか」と考えるようになりました

 これから作るデジタル系の新しいサービスを使うのは、新卒社員たちと同じ世代の受講者です。これからの時代を、学びながら成長していく人のためのサービスを作るならば、これからの時代の人たちに考えてもらうのが良いのではないか、と思いました。

 さらに気が付いたのは、長年にわたり新卒採用が難しい最大の理由であった「キャリア・ギャップ」が解消されるということです。というのは、プレセナで、デジタル系の新事業立上げをやっていく中で、新卒社員たちは事業会社としての色々な経験を積みながら成長することができます。そうすれば、いずれ講師としてその体験談を語り、受講者の前に立つこともできるようになるでしょう。

新卒社員を採用し、未来の経営陣として、育成していこう!

 僕は創業者としていつも、「自分がリタイヤする時、誰にバトンを渡すべきなのか」を考え続けています。「ビジネススキルの体系化と普及」も、「心のふるさと作り」も、時代が変わっても意味があることだと僕は信じています。だから、プレセナは100年、もっと続く会社にしたい。そう考えた時に、自分の引き際を考えることはとても大切です。

 僕は多くのお客様で「経営人材の育成」なども手掛けてきましたが、そこで常々感じるのは「経営は1人ではできない」ということ。どんな優れた社長がいても、1人でできることは限られています。なので「経営陣」のお互いの信頼関係の深さはとても重要になってきます

 会社が大好きで、仲間が大好きで、仕事が大好きで、一致団結して我を忘れて没頭していた「新卒社員」のあの熱量をもった「経営陣」を作りたい。そして僕がリタイヤする頃には、今の集合研修よりももっと大きな、リアルとデジタルが融合した様々なサービスが立ち上がっていて、その中心をプレセナに新卒入社した社員たちが担っている。そんな絵姿がはっきりとイメージできました。

 そして2020年の夏頃、僕はついに「新卒採用をしよう」と決心しました

でも、人生は人それぞれ。やりたい仕事を選んで欲しい。

 プレセナでは昔から「全員経営」という言葉があります。これは色々な意味があって、時代によりその解釈もかわっています。昔は本当に、全員で経営していました。今は、全員の叡智を結集した経営をしよう、という意味です。だから「経営者のつもりで」日頃から仕事をしていくことは大切です

 僕は新卒のみなさんを「未来の経営陣」という期待値で採用しています。でも、現実問題、会社組織ですから全員が全員「経営陣」になる訳でもないし、「経営陣」になったら幸せな訳でもありません。人それぞれの人生だし、人それぞれ興味関心も適正も違います

 「好きなことをしている時が、最も力が出る」。これは僕の経営哲学の1つです。いやな仕事、興味のない仕事、無理にやらされている仕事をしていて、力が出る人はいない。だからプレセナでは、全員が自由に仕事を選べる仕組みになっています。講師が好きなら講師をすれば良いし、デザインが好きならデザインをすれば良い、営業が好きなら営業をやれば良い。事業立上げの仕事、海外の仕事、法務や税務などの専門的な仕事、デジタルやエンジニアの仕事など、色々な仕事が今のプレセナにはあります。

 そして「経営陣」というのも、プレセナでは1つの役割です。「経営陣になる」=えらくなる、社員の上に立つ、ということではありません。プレセナでは私が好きな船になぞらえて経営陣を「キャプテン」と呼んでいますが、キャプテンはその名の通り、船の先頭に立って人々を導く役割です。
 
 僕は自分は何ができるのか、何が向いているのか、おぼろげながら理解してきたのは30歳を超えてからでした。今学生のみなさんも、自分は何が出来るのか、何が向いているのか、模索していると思いますし、なかなか答えが見えないと思います。でも「自分探しの旅」はしばらく続くと思いますので、やりたい仕事を自分で選ぶ中で、「これが向いている!これが楽しい!」というものを見つけてもらえればと思っています。そしてその中で「キャプテンになってもいいかもな」と思う人が出るといいなと思っています。

創業者のメッセージって、何を書けばいいの?

 今回このウェブサイトに執筆するにあたり「創業者のメッセージって、何を書けばいいの?」と僕は疑問を持ちました。そして世の中の創業者や社長は何を書いているんだろう?と思って「創業者のメッセージ」や「社長のメッセージ」で検索をしてみました。すると色々な記事が出てきました。要約するとだいたい、当社は学生にこれを期待する、これからの社会人にはこれが求められる、みんな頑張って社会に貢献して欲しい、などです。

 なんか僕は、正直そういうのがしっくり来ませんでした。それって、なんか妙に上から目線の一般論で、その人の考えの押し付けに過ぎないし、本当にそうかどうかもわからない。別に会社なんていくつもあるからその会社で働く義理もないし、みなさんが成長した数十年後にはその人はもう退職しているに違いない。まして人の人生なんて人それぞれなんだから、別に好きに生きたらいいんじゃないのとか。

 では「創業者のメッセージ」として、僕は何を書けばいいのか。最終的に思ったのは「創業者としての自分の思いを伝えよう」ということでした。なぜなら、それは押し付けではないし、これからも変わることがないし、人それぞれの受け止めが出来るものだから。そういう理由で、ここまで僕は一方的に「僕の思い」を綴ってきました。

みなさんらしく、輝いてください!

 とはいえ最後に一言だけ、みなさんに向けたメッセージを書きたいと思います。それは「みなさんらしく、輝いてください」ということです。

 世の中には本当にたくさんの会社があり、色々な人がいて、色んな仕事をしています。社会の役に立ち、やりがいがあり、成長できる仕事もたくさんあります。プレセナで輝ける人もいるでしょうけれど、他の場所の方がもっと輝ける人もいるでしょう。なので僕はみなさんに「ぜひプレセナに来てください!」と言うつもりはありません。

 僕はここまでで、「新卒採用にかける自分の思い」についてお話をしました。またプレセナがどんな会社で、何をやっていて、どんな人が働いているか。このウェブサイトだけでなく、会社説明会、その他の場所で、できるだけみなさんに情報を提供したいと思っています。

 それらの情報にもぜひ目を通して頂き、みなさんのこれまでの人生やこれからの人生をよくよく考え、「プレセナという会社に来れば本当に輝けそうだな、幸せになれそうだな」と思ったら、その時はぜひプレセナの門戸を叩いてください

 もちろん採用は「ご縁」なので、すべてのみなさんとお仕事をすることが難しいのが現実です。でも「社員になること」だけが、プレセナとの接点ではありませんので、受講者として、未来のお客様として、協業先として、(上場後は)株主として、色々な形でプレセナと接点を持ってもらえると嬉しいです。

 最後の最後に。「新卒カード」をどこに切るかは、とても大切です。最初の会社、最初の仕事、最初の上司、は人生に大きく影響を与えます。自分探しの旅はまだまだ続くと思いますが、ぜひ全力を尽くして、悔いのない就活をしてくださいね!