ビジネスモデル全体像 Business Model

プレセナは、好循環を生む独自のビジネスモデルで成長を続けています

ビジネスモデル全体像

「最強企業の方程式」に則った事業展開で顧客を獲得

プレセナでは、企業としての戦い方を模索する中で見出した「最強企業の方程式」に則って事業を展開しています。最強企業の方程式とは次の5つです。

1.市場よりも良いものを提供する
2.市場価格よりも安く提供する
3.社員の給料が高い
4.社員は早く帰れる
5.それでいて仕事が楽しい

このうち、顧客獲得で特に重要なのは1と2です。そのためにプレセナが行っている方法は実にシンプル。未来の顧客になり得る企業へ、無料セミナーの案内を地道に続けています。多くの企業が3~5年で研修会社を見直すため、そのタイミングで他社と比較検討する土俵にさえ上がれれば、多くのリーディングカンパニーとの取引実績や、ビジネス経験豊富な講師陣、低コストで高クオリティーなサービス内容などにより「プレセナを選ばない理由はない」と納得していただけます。

この手法で安定した顧客の獲得に成功。受注後は、「なぜこの研修が必要なのか」を経営戦略や人事戦略といった上流工程から提案することで、取引の継続・拡大につなげ、さらに「良いものを、安く提供」できるようになる好循環が生まれています。

長期的な関係から次の引き合いが生まれる

取引した顧客とは長期的な関係を維持できることも、プレセナの安定した成長の大きな要因です。顧客との関係が途切れてしまうきっかけとして多いのは、人が変わるタイミング、すなわち担当講師の退職です。しかし、プレセナ講師陣は離職率が非常に低く、顧客に長く寄り添い続けることが可能です。顧客に対する理解度が深まる分、より最適な提案が可能となり、その関係性はより確かで揺るぎないものとなります。

やがてプレセナの研修を受けた受講者が昇進し、決裁権を持つポジションに就くケースも少なくありません。そうした方々から新たな研修の引き合いをいただき、また長いお付き合いをさせていただくといった形で、さらなる発展を遂げてきました。

研修のカスタマイズにより、続けるほどに顧客に詳しくなる

プレセナでは、研修教材を細かなモジュール(部品)に分け、組み合わせるという方法で設計しています。この方法の利点は、標準化されたモジュールによって品質を一定に保ちながらも、組み合わせ方次第で個々の顧客にぴったりと合う研修プログラムへとカスタマイズできる点です。また、一から教材を作る場合と比べて生産コストを抑えられ、低価格ながら高品質なサービスを提供できます。

このように顧客に合わせてカスタマイズした研修を提供すると、顧客独自の課題やニーズが見え、どんどん顧客について詳しくなっていきます。そして顧客に詳しくなると、もっと相手に合わせてカスタマイズした研修が提供できるようになります。結果として常に満足度の高い内容を提供でき、取引を継続させることで、安定した成長を実現しています。

先進的な依頼に応えることが、将来的な収益の“種”に

顧客に合わせた研修内容のカスタマイズを続けた結果、さまざまなリーディングカンパニーから一筋縄ではいかない“難しい依頼”をいただくようになりました。「現地の時事問題を織り交ぜた、海外現地法人の従業員の昇格試験を作りたい」「eラーニング動画を英中日の3言語で作って納品してほしい」など、国内外を問わず寄せられるご相談には、競合他社がどこも対応しなかった前例のないものが多数あります。これらの難題に果敢に取り組み、顧客とともに新たな領域に挑戦していくことで、プレセナはストラテジック・パートナーとしての地位を確かなものにしてきました。

実はリーディングカンパニーから依頼を受けたこれらの“難題”の多くは、時代の最先端をいく課題です。他の大手企業も、実は水面下で同じ課題を抱えていたというケースは珍しくなく、その後同じような案件を他の大手企業からも受注することで、事業を拡大してきました。このような将来の成長につながる“種”をいち早く発見し、育て、事業として成立させ、サービスの幅を広げることで、また次の“難題”をいただくという好循環が回っています。

講師の立ち上がりの早さが、売上拡大と人材確保に寄与

プレセナ最大の特徴は、正社員が研修講師を担っていること。しかしながら、外部講師と違って、正社員の講師には多大な育成コストがかかります。この経営課題を解決できる理由は、講師の養成方法を体系化しているからです。

教えるスキル、教える研修領域、研修教材の全てが体系化されているため、論理立てて効率よく習得できます。講師としての立ち上がりの早さによって育成コストを抑えられ、独り立ちした講師の活躍が売上を拡大し、それがさらなる新しい人材の確保につながるという好循環が続いています。

「最強企業の方程式」に則った組織構築で、社員が辞めない好循環を実現

プレセナでは、社員の意志を尊重した柔軟な働き方や透明性の高い社内制度などによって低い離職率を叶えています。最強企業の方程式で言うところの、「社員の給料が高い」「社員は早く帰れる」「それでいて仕事が楽しい」の部分です。それにより、年間の退職者は平均すると1名いるか、いないかです。社員が辞めないということは、ビジネスにおいてさまざまな好循環をもたらします。

まずは、なにより採用費用や育成費用を最小限に抑えられます。また、一人の講師が一つの顧客を長く担当できるので、顧客以上に企業のことを熟知し、深い信頼関係に根差した対等な立場で取引を継続できます。さらに、顧客情報や研修のノウハウが外に持ち出されないため、業界における優位性を保つことができます。体系化されたノウハウが蓄積していくことで業務の属人化も防げます。

コストを抑えればその分給料が上がり、顧客から信頼を得た仕事には愛着ややりがいが生まれ、業界の先頭に立って走りつづけられる立場は仕事に対する自信を育み、属人化を防ぐことは出産休暇や育児休暇、有給休暇の取得のしやすさにつながる。それらは全て、プレセナで長く働き続ける理由へと帰結していきます。人を大切にすることで生まれるこうした好循環こそが、プレセナの収益性の高いビジネスモデルを持続可能なものにしているのです。

デジタル関連事業を通して、顧客に人的資本情報を提供

2023年3月より人的資本の情報開示が義務化され、人材投資の費用や女性管理職の割合など、有価証券報告書に明記しなければならない情報が増えています。そのような数値的な情報に加えて重要なのは、企業の未来を形づくっていく人材がその能力や資質を組織の中でどのように育て、発揮できているのかという情報です。それを世の中に向けて明確に開示する必要性は今後ますます高まっていくでしょう。

それを実現するカギは、eラーニングやオンライン研修、アセスメント事業といった“デジタル領域”が握っています。デジタルコンテンツでの研修を通して、受講者情報や育成データを収集し、どのような人材のどのような能力やスキルが育っているのか、それによって企業全体の価値がどのように高まっていくのかを分析します。

有益なデータとして顧客に還元できれば、今後の顧客価値の向上に大きく貢献するとともに、強固な関係性を結ぶことができます。また、このような人的資本情報の収集・分析の実績は、新たな取引関係を築くことにもつながり、より幅広いデータが集積して分析の精度が上がり続ける、というサイクルが加速していくことも見据えています。

to C 事業で新たな需要を発掘し、to B 事業に活用

ビジネスパーソンが自己成長のために主体的に学び、自己研鑽を積んでいく姿勢は海外を中心に広がりつつあります。こうした人々の意識の変化を象徴するように、近年、多種多様なビジネス領域で C to C 化の流れが加速しています。プレセナではこうした時代の変化を見据え、“人材育成の C to C ”を事業化。教えたい人と学びたい人をマッチングさせるSNSをローンチしました。

この事業では、会費が収益源になることに加え、SNSへの参加やユーザー同士の情報交換をきっかけにプレセナの研修に興味を持ち、新規受注につながることに期待できます。また、SNS上に集まった感度の高いビジネスパーソンによる話題や議論が資産として蓄積されれば、社内講師の知見だけでは捉えることのできない新たなビジネススキルの発掘に役立てられるはずです。いち早く新しいビジネススキルの体系化を進めることで、将来的にプレセナの研修事業の中核をなすサービスに成長する可能性も秘めています。