思い描く未来 Vision
“自然の摂理”に従った、今後の事業展開をご紹介します

経営の根底にある“自然の摂理”という考え方
プレセナは、時代の移り変わりに伴う社会の変化を見極め、企業の論理ではなく“自然の摂理”に従って事業を行うことを大切にしています。
企業というものは利益追求が不可欠です。しかし、自社の利益を優先するあまり、顧客や社員のためにならない判断や行動をすることを、私たちは企業の論理と呼んでいます。一方で、水が高い所から低い所に流れるような、世の中の流れに沿った無理のない判断や行動を、私たちは“自然の摂理”と呼んでいます。
人材育成は企業の論理で押し売りするものではないという考えから、プレセナでは売上や利益の数値目標を設定していません。自然の摂理に従い、時代の変化に対応し、世の中に必要とされる価値を届けることができれば、必ず数値は結果に現れるからです。人材を消費する「資源」ではなく、価値を生み出す「資本」と捉えるようになった現代において、人材育成事業は真に求められている領域であるという手応えがあります。それを証明するように、プレセナの売上高は2006年の創業から着実に成長を続けています。
プレセナが事業を通して目指すのは、ミッションに掲げている「ビジネススキルの体系化と普及」によって、替えのきかない個の存在価値を高め、それを企業の発展、ひいては社会への貢献へと結びつけること。さらには、そんな個人と個人の出会いを促し、誰もが自分らしく力を発揮しつづけられる「心のふるさと」を創ることです。ここからは、その思い描く未来の実現に向けた、具体的な事業の展望をご説明します。
経営に資する人材育成
プレセナが提供するのは、顧客の経営に役立つ人材育成です。だからこそ、顧客とは対等な立場で、必要な対話や議論を交わすことを大切にしています。私たちのもとにはよく、「ロジカルシンキング研修をしてほしい」といった漠然としたご依頼が寄せられます。「はい、わかりました」とお答えする前に、私たちは必ず「なぜその研修が必要なのか教えてください」という対話を持ちかけます。顧客が抱える課題の本質がどこにあるのかを見定めなければ、経営にとって本当に役に立つ人材育成サービスを提供することはできないからです。
「思いつきの研修」や「単発の研修」では、人は育ちません。経営に資する人材育成とは、事業戦略・目標管理・人事制度など、さまざまな仕組みと連動させ、企業の経営に役立つ人材を時間をかけて育てていくことであり、プレセナは創業以来、このような考えのもとで人材育成事業を展開してきました。
人材が持つ能力を最大限に引き出すことで、企業価値の向上に結びつけていくという考え方は、今では人的資本経営と呼ばれ、世界的にその重要性が増しているのは周知のとおりでしょう。
顧客が抱える課題の本質を見極め、そこで働く人材が持つ能力を最大限に活かす。それによって顧客の発展を支える。このような姿勢で、プレセナはこれからも人材育成事業と向き合いつづけます。
リアルとデジタルの融合
リアルで対面する世界にデジタル技術を持ち込むことで、今までにない価値を生み出そうとする動きは、あらゆるビジネス領域で活発になっています。プレセナでも、こうしたリアル×デジタルの取り組みに力を入れています。
人材育成業界において、リアルで価値を届けるのは講師、デジタルで価値を届けるのはエンジニアです。プレセナの特徴は、その両者を正社員として雇用している点にあります。eラーニングの立ち上げ当初はシステム開発を外部に委託していましたが、それだと技術側からの提案もなく、自発的なシステム改善も起きないという状況がありました。そこで人材育成に思い入れを持つエンジニアを社内に迎え、講師と協業させることで、人材育成におけるリアルとデジタルのシナジーが生まれやすい環境を整えました。
これまでビジネススキルを届けるためには講師が教えるしかありませんでしたが、現在はデジタル技術の導入によりeラーニングなどの効果的な学びが実現できています。さらには、両者が補い合い、ノウハウと技術を掛け合わせることで、新しい学びの場を提供していきます。これが、プレセナが目指すリアルとデジタルの融合です。
「人材開発DX」の推進
給与計算や人事評価のDX化が進む人事領域とは対照的に、人材開発領域ではDX化がそれほど進展していないのが実情です。研修の現場では、会議室で講師が紙のテキストを配り、ホワイトボードに説明を書きながら登壇する。事務局は出欠をエクセル表で管理し、アンケートフォームや事後課題をメールで受講者に配付するといった、今なおアナログなやり方や手作業が残っています。
プレセナはこうした現状に問題意識を持っており、研修の事前準備や事後フォローだけではなく、当日の講義進行も含めた一連の業務を整流化し効率化する人材開発DXを推進しています。
人材開発DXは、効率化によって手間を省くだけでなく、人材開発の質向上にも結びつきます。例えば、その場で消えていた講師と受講者のやりとりをデータとして残すことで、受講者の学習傾向を分析し、より良い研修内容にアップデートしていくことができます。このように人材開発DXを推進することで、より効率的で価値の高い教育環境の構築を進めていきます。
人材開発・キャリア開発の C to C 化
人材開発・キャリア開発の領域では、いまだに勤務先が研修会社に依頼するという B to B の構造が主流です。しかし世の中を見渡せば、フリーマーケットやクラウドファンディング、スキルシェアなど、個人と個人のやりとりによる新たな経済圏が次々に生まれています。
プレセナは将来における人材開発・キャリア開発の C to C 化の流れを見据え、ビジネスパーソン同士が交流しながら学びを深め自己実現をしていくSNSを立ち上げています。
世の中には、人に教えられるスキルや経験を豊富に持っているにもかかわらず、それらを眠らせている人が少なくないと私たちは考えています。こうした「教えられる人」と「学びたい人」が出会い、互いの成長に寄与する関係性を築くことができる場が、今後求められるでしょう。
この取り組みは、皆がいつまでも自分らしい価値を発揮することができる「心のふるさと創り」の具体的な形でもあると考えています。