代表者メッセージ Message from Founder
プレセナの代表取締役である高田より、プレセナについてお話しします

創業者 高田 貴久よりごあいさつ
ごあいさつ
2026年2月1日で弊社は設立20周年を迎えます。7畳のワンルームマンションで3名で始めた弊社が、現在はグローバルで120名以上の社員を擁し、300社近いお客様に人材育成サービスを手掛けられるようになったのは、ひとえに皆さまのご支援のお陰であると感謝いたしております。
これまでご愛顧いただいたお客様、仲間として頑張ってくれた社員たち、支えてくれた家族や親族、全ての取引先の皆さま、株主の皆さまに改めて厚く御礼を申し上げます。
会社の寿命
私は創業者として、いつも「会社の寿命」について考えています。自ら設立したこのプレセナという会社が、どこまで生き存えるのかを常に考えています。
国税庁の数字によると、会社が10年続く確率は6.3%程度、つまり16社のうち1社しか生き残れません。20年続く確率は0.4%しかなく、さらに生き残るのはそのうちの6%しかありません。30年続く確率は0.021%で、さらにそのうちの5%しか生き残れない計算です。30年生き残れる会社は5,000社に1社しかないのです。
弊社は「ビジネススキルの体系化と普及」を掲げ、個人の成長と世の中の発展に貢献したいと真剣に考えています。人の育成は太古の昔から続く終わりのない仕事です。従って私たちは、30年やそこらで死に絶える訳にはいきません。50年、100年、もっと先へ、その時代その時代で必要とされる「ビジネススキル」を提供しつづけなければならないと私は考えています。
会社が消える3つの理由
なぜ、会社は消えていくのか。5,000社のうち、4,999社は30年以内に姿を消します。それはなぜなのか。
最初からうまくいかなくて倒産する会社が多いのはわかります。弊社も創業1~2年は綱渡り状態が続き、一歩間違えれば倒産という事態が何度もありました。しかし、10年続いた会社の94%が、なぜ20年以内になくなってしまうのか。20年続いた会社の95%が、なぜ30年以内になくなってしまうのか。
なくなってしまうというのは「倒産」とは限らず、どこかと合併するということもありえますが、私は3つほどの可能性があると考えています。
1つ目は、変化に対応できなかったということです。ある時点までは特定の製品やサービスが当たって成長したが、そこから先で世の中が変わってしまい、不振に陥ってしまったというようなケース。
2つ目は、リスクを読み違えたということです。何かとてつもなく大きな失敗をしたり、大きな影響が出たりして、それが原因で一撃で会社がなくなってしまうというようなケース。
3つ目は、次世代への引き継ぎがうまくいかなかったということです。創業者がずっと引っ張ってきたけれど後継ぎが育たず、他社に売却するというようなケースです。
弊社がこの状況に陥り、消えてなくなってしまうことはないか? 私は常に自問自答しつづけています。
変化への対応
まず1つ目の「変化への対応」について。これまで弊社はロジカルシンキングや問題解決といった思考系スキルを中心に成長してきました。ロジカルシンキングについては、日本語という言語が残念ながら論理的にできていないため、ここから先もニーズがなくなることはないでしょう。
しかし、情報量が膨大となり動きがはやくなり過去の延長上に未来がなくなった現在、これまでの問題解決手法が適用しづらい領域も出てきています。仮説思考やデザイン思考など、新たな思考領域で強みを確立していくことが、ここから先で私たちが価値を発揮していく鍵となると考えています。
私たちがミッションに掲げる「ビジネススキルの体系化と普及」を推進すればするほど、コンテンツのコモディティ化が進みます。したがって私たちは進みつづけなければなりません。同じコンテンツを同じように教えつづける会社では、いつかはコモディティ化して存在価値がなくなってしまうという、自己矛盾の中に我々は存在しています。
グローバル化・デジタル化などさまざまな流れにあわせ、その時代その時代にあったコンテンツを開発し、それを世の中に広めていくことこそが、我々の存在意義なのです。
リスクへの対応
次に2つ目の「リスクの読み違い」について。私はよく「この会社が一撃で倒産するとしたら?」ということを考えます。環境変化に対応できず、徐々に衰退するということではなく、何かをやらかして一夜にして倒産してしまうというようなケースです。
例えば、ある日社員が大量に離反・独立してしまう。重大なコンプラ違反でお客様と取引停止になる。情報漏洩事故が起き賠償責任に問われる。ハラスメントで経営陣が失脚する。投資失敗で巨額の損失が出て資金が回らなくなる。労働災害の悪評が広まり人材市場から人が集まらなくなる。天変地異の影響で本業が立ち行かなくなる、など。
実際他社においても、このようなリスクの顕在化で経営破綻している例はいくつも存在しており、決して他人事ではないと考えています。
弊社は売上の拡大を目標としておらず、「世の中に求められる良いサービスを提供した結果が売上の拡大」であるという考えが浸透しています。仕事の目的が本末転倒となりリスクを顧みない行動を起こさぬよう、経営陣のみならず社員全員でリスクを的確に捉え、慎重・盤石に行動していく必要があると考えています。
次世代への引き継ぎ
最後に3つ目の「次世代への引き継ぎ」について。私もそういう一面がある・あったと自己認識していますが、創業者というのは組織立った仕事に向いていない側面があります。
それもそのはず、「何かをやりたい!」「自分で自由に挑戦したい!」という強い思いを持って起業し、前例がない中で試行錯誤しながら自らビジネスを築き上げていくのが創業者です。事業を安定して回すために必要となる、仕組み化・ルーチン化・組織化などは二の次・三の次となるのもやむを得ないかもしれません。
もし「組織立った仕事に向かない創業者」が、いつまでも会社を引っ張り続けていると、どうなるか。確かに会社は大きくなるかもしれませんが、いつまで経っても仕組みに落ちず、組織立ってこず、よくある「ワンマン社長」というパターンになるでしょう。そして、そのワンマン社長が引退したタイミングで、後継者がいなくてその会社はお終いとなるかもしれません。
弊社は幸いにして元から「体系化」が好きな会社ではありましたが、上場に向けた体制を構築していく中で、よりいっそうの仕組み化・ルーチン化・組織化を進め、経営者が交代しても会社が安定的に回る体制の整備を行ってきました。
また、私自身は人材育成の領域で長年仕事をしてきましたが、「人が最も育つのは、上がいなくなった時だ」というポリシーを持っています。
よって、弊社の経営陣を育てるには「実際に経営をしてもらう」しかないと考えており、これまでにも合計で4年近く、私自身が社長を降りたり、役員をも降りたりして、経営陣の育成に務めてきました。
「何かがあれば私自身が戻れるうちに、何度も任せてみる」ことが、経営陣の育成にとって非常に重要であると考えており、これからも会社のフェーズにあった強みを持つ経営陣にバトンタッチし、交代しながら、次世代への引き継ぎをゆるやかに進めていきたいと考えています。
おわりに
「ビジネススキルの体系化と普及」は、終わりのないテーマです。死ぬまで追求できるテーマを見つけることができて、自分は本当にラッキーだったと感じています。またそれを、このプレセナという会社の素晴らしい仲間たちと追求できていることに、大きな喜びを感じています。
「心のふるさと創り」にも、終わりがありません。私は仕事で出会ったすべての人たちと、これからの人生でもずっと接点を持ち、お互いに切磋琢磨しながら、共に成長し自己実現をしたいという思いがあります。そして、弊社のすべてのステークホルダーの皆さまが、プレセナという会社に出会ったことで、よりよい人生になったと感じてくださることを切に願っています。
30年後にも、50年後にも、100年後にも、世の中から必要とされる存在でありつづけるために。これからも私たちは努力して参ります。今後ともご愛顧のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
創業者 高田 貴久について
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