About companyバリューチェーン完結・総自前主義

社員3名のプレセナに、講師4名体制の発注

創業してすぐの2006年4月、それまで個人的に取引をしていたご縁もあり某総合商社より著書「ロジカル・プレゼンテーション」を題材とした新人研修の発注を受けました。採用者数が多いこともあり4クラス同時進行というオーダーでしたが、当時のプレセナには社員は3名。最初はお客様の仰る意味がわからず、恐る恐る「うちは社員が3名なのですが・・・」と話をしてみたところ「ええ、存じ上げています。でも講師は4名体制でお願いします」というお答えでした。発注をいただいてから研修実施日までにはまだ2ヶ月ほど残されていたので、恐らくそれまでに体制を整えよ、というご期待なのであろうと理解し、このチャンスをものにできなければプレセナに明日は無いと覚悟を決めて、講師の確保に東奔西走を始めました。

ハイエンド講師・ローエンド講師 それぞれの悩み

しかし、2ヶ月間で講師を見つけることは容易ではありません。色々と悩んだ結果、自分のコンサルタント時代の先輩や後輩に声をかけて登壇してもらうこととしました。2ヶ月後に無事に研修は終わり事なきを得たのですが、その過程では色々な苦労がありました。ハイエンド講師、すなわち自分の先輩にあたるような人で既に講師としての実績がある方に仕事をお願いすると、即興ですぐにこなして下さるので手間はかかりません。しかし「こんなお金じゃ引き受けられない」「教材のここがおかしい、あそこがおかしい」と色々なお小言をいただき、会社としての統制が取れない状況になってきます。一方でローエンド講師、すなわち自分の後輩にあたるような人で講師実績がない人にお願いをすると、お金の面や内容の面はすんなり言うことを聞いてくれるものの、育成にとても手間がかかる。講師として独り立ちできるまでに、何日もトレーニングを重ねる日々が続きました。

外注講師としての悩み

また当初は仕事も少なかったことから、他の研修会社の外注講師として高田が登壇することもありました。その中でも色々な悩みが出てきます。ある時お客様の所に行くと、事前に研修会社から知らされていた内容と全く異なる期待値をお客様がお持ちであり、研修教材が全くもって見当違いだという出来事がありました。結局のところその場でお客様にお詫びをして、1日教材なしで登壇するという修羅場となりました。また外注講師として登壇をしていて薄々気付いてきたのは、講師が頑張れば頑張るほど、その成果は営業を行った研修会社に帰属してしまうということです。「今回の先生はとても良かったです。次回もよい先生を連れてきて下さいね!」という感謝のされかたで、講義をした講師そのものへの感謝ではないことに気が付いてきました。

総自前主義への転換

色々と考えた結果、やはり研修会社たるものは「営業」「開発」「講師」という、バリューチェーンの主要要素は全て自前で持つべきであるとの結論に達したのは、創業してから半年ほど経った頃です。講師を完全に内部で抱えてしまえば、言うことをきかないハイエンド講師に対して頭を下げ、時間や金額を調整することに時間を費やす必要がなくなります。登壇経験が少ないローエンド講師に一生懸命トレーニングを行う時間もなくなります。自分たちが登壇してお客様の満足が得られれば、それはすべてプレセナの成果として認められます。しかし総自前主義への転換は「お客様のためによい講義を行い自分たちのブランドや実績を高める」ことに最大限の時間を使えるようになる一方で、固定費ビジネスへの転換という大きな決断でもありました。講師が出来るスペックの人を採用し雇用し続けなければならない訳ですから、決して楽な選択ではありません。現在は、一部の領域については他社とのアライアンスも積極的に推進するようになりましたが、「総自前主義」の考え方は今も変わらず根付いています。

総自前主義が結果としてもたらしたもの

総自前主義は結果として、当初予想しなかった多くの恩恵を我々にもたらし、現在のプレセナの競争優位の源泉を築き上げてきました。ここではその幾つかを紹介したいと思います。

社内講師育成というサービス提供

プレセナは2007年から現在に至るまで、継続的にトヨタ自動車やその関連会社において「社内講師育成」というサービスを提供しています。アドバイザーと呼ばれる先輩社員が後輩社員に対して教育を行う際に、トレーナーとしてのファシリテーション方法をインプットするというサービスなのですが、このサービスが提供できるのは、プレセナが100%講師内製モデルを貫いているからです。講師経験がないビジネスパーソンを採用した上で「教えるとは何か」という心の部分から、具体的なファシリテーションの方法までを体系立てて育成する方法論が確立されているからこそ、その高いノウハウを外販することが可能なのです。

無料公開セミナーでのブランド向上

プレセナでは、長年人事ご担当者を対象とした無料の公開セミナーを開催しています。他社のセールスセミナーとは異なり、プレセナの公開セミナーは「通常の講義を短縮して実施し、教材も何もかもすべて無料で差し上げる」という方式を採っています(もちろん本人利用の範囲とし、再利用はお断りしております)。この方式は「気前がいい」「余裕が感じられる」というお誉めの言葉を多くいただき、プレセナのブランド向上に大きく寄与しているのですが、なぜ教材も何もかもすべて無料で差し上げることができるかといえば、講師が内製化されているからに他なりません。トレーニングを受けた内製講師でなければ教えることが出来ない、教え方がブラックボックス化された教材だからこそ、何も隠すことなくお持ち帰りいただくことができるのです。

地方顧客への営業活動

プレセナのお客様は日本全国にいらっしゃいます。売上高に占める首都圏の割合は約60%に過ぎず、北は北海道から南は九州まで全国に散在しています。「こんな田舎までお越しいただいて」とお客様から御礼の言葉をいただくことも多いのですが、プレセナが地方のお客様に対してもサービス提供ができるのは「営業と講師」が兼務の体制になっているからに他なりません。他社の話を聞いていると、成約するかしないかわからない地方のお客様には営業コストをかける訳にはいかない。ある程度数がまとまる名古屋・大阪・福岡などであれば拠点を出すこともできるが固定費がかかる。その点プレセナは、その土地に講師が出向いた「ついで」に他のお客様を訪問して帰ることができるため、効率よく地方顧客にアプローチできるのです。

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